ケアマネジャーのインテークって何する?事前準備や流れを詳しく解説

ケアマネジャーのインテークって何する?事前準備や流れを詳しく解説

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大枝 洋子のアバター大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネ歴12年、介護福祉士歴8年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。成功した転職もあれば、失敗した転職ありました。そんな転職経験を活かすため当ブログを立ち上げました。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。保有資格は、介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、介護事務、ケアクラーク、他。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

介護現場での重要な役割であるケアマネジャーは、利用者様の状況を正確に把握し、最適な介護サービス提供のためのケアプランを作成する責任を担っています。

そのためには、利用者様の情報を短時間で正確に把握する方法が必要であり、その方法の一つが「インテーク」と呼ばれるものです。この言葉は聞き慣れないかもしれませんが、ケアマネジャーにとってはとても重要な言葉です。

今回は、インテークの概要や事前に準備すべきこと、流れや注意点など、様々な観点から詳しく解説を行いたいと思います。

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目次

ケアマネジャーが行うインテークとは?

ケアマネジャーが行うインテークとは?

初回面談という言葉で置き換えると、福祉サービスの利用開始に必要なインテークの説明がより分かりやすくなるかもしれません。介護現場でのインテークは、ケアマネジャーが在宅の高齢者やご家族と行う初回面談を指します。

相手の情報を正確に把握するために、インテークの目的やアセスメントの違いなどを振り返っておくことが重要です。

インテークを行う目的

インテークは、利用者様やご家族の関係性や生活環境、課題などを把握することにより、適切な介護サービスに繋がるケアプラン作成に必要不可欠な要素です。

さらに、インテークにはもうひとつの重要な目的があります。それは、信頼関係を築くことです。特に相談する側は、はじめて会うケアマネジャーに自分の問題を話すことになるため、心を開くきっかけを作ることが必要です。そのため、サービス提供側に対して心を開く機能も持っています。

インテークとアセスメントの違いとは?

ケアマネジャー業務におけるインテークとアセスメントは同じような面接手法を用いますが、本来の目的は異なります。インテークは初回相談であり、短時間で相談者の概要を理解することや信頼関係を築くことが目的です。一方、アセスメントは評価の英訳であり、問題をより深くかつ客観的に把握することを目的としています。

また、インテークは電話相談の形をとることもありますが、アセスメントは利用者宅を訪問し、ご本人やご家族を交えておこなうのが基本です。

インテークで行うべき事前準備とは?

インテークで行うべき事前準備とは?

ケアマネジャーが行うインテークでは、限られた時間内で相手からより多くの情報を把握する必要があります。相手に良い印象を与え、話を開かせるためには、事前の準備と注意が必要です。ここでは、インテークに臨む前に、どのような準備が必要であるかや、覚えておくべき注意事項などを確認しておきましょう。

最低限のマナーを身につけておく

インテークの際には、相談者がリラックスできるように注意する必要があります。こぎれいな服装を着用することや、名刺交換をすること、そして電話でのインテークの場合には、丁寧な電話対応が必要です。これらのマナーは一般的なビジネスマナーと同じですが、介護事業所の代表として、不快な印象を与えないように気をつけることが大切です。

質問内容や確認事項を事前にまとめておく

インテークを制限時間内に適切に実施するには、質問内容や確認事項などを事前にまとめておくことが非常に重要です。事前にこれらの情報をまとめておくことによって、聞き落としを防ぐことができます。また、相手のペースに合わせて話題がそれた場合でも、目的を見失わないようにすることができます。

電話対応の練習をしておく

インテークは、しばしば電話で行われるため、電話対応の練習をすることでスムーズに進められるようにすると安心です。準備なしで電話に出ると、緊張して固くなってしまう可能性があるため、事前の準備が大切です。初めての電話応対で印象が悪ければ、相談を躊躇する利用者様もいるため、電話応対には注意が必要です。電話は顔が見えないため、口調や言葉遣いに特に気を付ける必要があります。

聞き取り内容を正しくメモできるようにしておく

対面や電話でのインテークにおいて、正確な情報を得るためにはメモを取ることが必要不可欠です。相談者が自分の話に夢中になってしまい、話を長く続けることがあるため、ケアマネジャーは聞き漏らしがないように注意する必要があります。相談内容を正確に把握しておかないと、適切なケアプランの策定ができず、利用者様にとって不利益な状況になる可能性があります。メモを取りながら相談内容を再確認することで、情報の漏れを防ぎ、ケアプランの作成に役立てましょう。

ケアマネジャーによるインテークの基本的な流れ

続いて、ケアマネジャーがインテークを行う際の基本的な流れについての説明です。この手順は、異なる相手でも同様に適用され、相談者の情報を効率的かつ短時間で収集するために必要なルーティンです。また、ケアマネジャーだけでなく、他の相談業務でも同様の手順が必要ですので、インテークの進め方を十分に理解しておくことが大切です。

1. まずは自己紹介

インテークを始める前に、挨拶や自己紹介をして相談者の緊張を和らげることが重要です。自分の名前を伝えるだけでなく、名刺を渡すことで事業所名も覚えてもらいましょう。また、ケアマネジャーとして自分がどのように支援できるかを伝え、相談者が抱える不安を軽減することも大切です。これは、インテークだけでなく、他の相談業務でも同様のアプローチを取ることが望ましいです。

2. 雑談などで利用者様をリラックスさせる

初めてケアマネジャーのインテークを受ける利用者様は、緊張や不安を感じることがあります。そのため、挨拶の後に直ちにインテークの主題に入るのではなく、雑談をして緊張や不安を和らげることが重要です。利用者様がリラックスしてもらえるよう、会話の雰囲気を穏やかに保ちましょう。

3. インテークの流れや所要時間を伝える

インテークを開始する前に、流れと予定の所要時間を伝えることが重要です。話が長くなり、本来相談したかったことを話せなくなるといったことが起こらないように、時間的な目標を設けることが必要です。利用者様は、話を十分に聞いてもらえなかったという不満を感じるかもしれません。流れや所要時間を伝え、進行中に時間を確認しながら対応することが大切です。

4. 守秘義務の説明を行う

ケアマネジャーはインテークの際、利用者様のプライバシーや健康状態などの個人情報を扱うことになります。場合によっては、家族関係やライフスタイルなどの深い部分まで詳細に聞き取ることが必要になることもあります。したがって、ケアマネジャーは事前に守秘義務について説明し、相談者が安心して詳しい相談ができるように配慮する必要があります。

5. 会話内容の記録の承諾を得る

インテークで得た情報を正確に覚えておくには、会話の内容をメモに記録することが必要です。また、準備した確認事項を確実に聞き取り、情報を整理するためにも、メモを取ることは非常に重要です。 しかし、メモを取ることが相談相手に不快感を与えることがあるため、事前に相談相手に伝え、許可を得ることが大切です。

6. 困っていることや要望を聞き取る

介護サービスを適切に提供するためには、相談者の希望や悩みをケアプランに取り入れることが必要です。このためには、インテーク時により多くの情報を収集することが重要であり、相手のペースに合わせながら無理に引き出そうとするのは避けるべきです。また、相談者が話をしている間に聴き手としての安心感を与えることで、相談者の本音を引き出すこともできます。

7. 確認事項の再確認し目標を共有する

相談者やご家族からの要望や悩みごとの聞き取りが終わったら、事前に準備した確認事項を再度確認し、聞き漏らした点を改めて質問しましょう。お互いに重要事項をおさらいすることも、情報共有という点では非常に重要です。

聞き取り事項の確認が終わったら、最後にインテークでの成果や意欲を相談者と共有することも忘れずに行いましょう。希望が持てるような励ましの言葉をかけ、「一緒に頑張ろう」という気持ちを共有し、インテークを終了します。

今後の信頼関係の深化と不安の解消、そして前向きに生活するためにも、相談者がポジティブな気持ちを持てるように配慮することが大切です。

ケアマネジャーによるインテークの基本的な流れ

ケアマネジャーがインテークを行う上で注意すべきポイント

最後に、ケアマネジャーがインテークを行う上で注意すべきポイントをお伝えします。支援が必要な利用者様は、すべて同じ状況とは限りません。それぞれの利用者様に合わせた個別のインテークを行うことが重要です。

身だしなみや話し方に注意する

インテーク時には、清潔感のある身だしなみや言葉遣いなど、基本的なマナーを忘れずに押さえておくことが大切です。また、声のトーンにも注意し、良好な第一印象を与えましょう。相手を威圧するような態度は避け、丁寧かつ適切な言葉遣いを心がけることも重要です。くだけた表現や適切でない言葉を使わず、立場を尊重した対応を行うようにしましょう。

専門用語はなるべく使わないようにする

ケアマネジャーの業務では「アセスメント」や「モニタリング」といった、普段あまり使われない専門用語がよく用いられます。しかし、利用者側が専門用語を理解しない場合があるため、わかりやすい言葉に置き換えるように心がけましょう。専門用語を使用する場合には、あらかじめ言葉の意味を説明したり、利用者様が理解できるような例え話をすることが必要です。

利用者様の状況やニーズに対して適切で正確な判断を行う

ケアマネジャーの大切な役割は、利用者様の状況やニーズを適切に評価することです。利用者様やご家族からの問い合わせには、緊急性を判断して必要な支援を提供することが求められます。利用者様の中には、急激な体調変化やけがなど、重要な問題を相談する人もいるため、ケアマネジャーは正確な判断を行う必要があります。緊急性が高い場合は、主治医に連絡したり、状況を確認するために行動することもあります。

利用者様の悩みに耳をかたむけ誠実に対応する

対面や電話でのインテークでは、利用者様の話を真剣に聴き、誠実な対応を心掛けることが大切です。利用者様によっては、難しい課題に直面していたり、介護とは直接関係のない悩みを抱えていたりすることもあります。どのような相談にも、過剰に否定するのではなく、相手の話を最後まで聞くことが必要です。その中には、根本的な課題が隠れている場合もあります。

感情移入せずに客観的に判断する

利用者様の話を聞く中で、感情移入してしまうケアマネジャーもいます。しかし、ケアマネジャーは利用者様の状況や必要な介護サービスを客観的に判断するため、専門職としての視点が必要です。利用者様と丁寧に接することは重要ですが、安易に共感して全てを受け入れることは誤った判断を招く可能性があります。専門家としての視点で最適なサービスを検討し、提示しましょう。

話しやすい雰囲気を作る

利用者様とのインテークで話を引き出すためには、ケアマネジャーの役割として、話しやすい雰囲気を作ることが重要です。しかし、畏まりすぎたり、過度に親しみすぎたりすることは避けるべきです。適切な距離感を保ちつつ、利用者様に寄り添う姿勢を示すことが大切です。共感の言葉を交えながら、「その気持ち分かります」「大変でしたね」「そうですよね」といった言葉を話し合いの中で使うことで、利用者様が話しやすい環境を整えることができます。

慌てずに丁寧に対応する

急いでいるときや予定があるときでも、ケアマネジャーは利用者様に対して丁寧に接することが重要です。急いでいるときは、相手の話を急いで切り上げてしまいがちで、利用者様に不快な印象を与えてしまう可能性があります。特に、緊急を要する場合は、相談先がなく不安を感じることもあるでしょう。ケアマネジャーは、時間がないことを正直に伝えた上で、後日の折り返し電話を約束することで、利用者様に安心感を与えることができます。急いでいても慌てずに相手の気持ちに寄り添い、丁寧な対応を心がけましょう。

ケアマネジャーがインテークを行う上で注意すべきポイント

インテークで信頼関係を築こう

ケアマネジャーのインテークは、支援が必要な人やそのご家族との初回面接であり、適切なケアプラン作成や介護サービス提供につなげる重要な目的があります。インテークのやり方には電話や対面などさまざまな方法があり、きちんと対応するマナーやスキルが求められます。相談者との信頼関係を築くためには、相手の人格を尊重し、一人ひとりに寄り添う姿勢を大切にすることが重要です。また、インテークをスマートに乗り切るためには、インテークの目的や流れを理解し、随時自己チェックをすることが必要です。

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この記事を書いた人

大枝 洋子のアバター 大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネジャー歴12年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

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