ケアマネジャーの更新研修まとめ!費用や廃止案について詳しく解説

ケアマネジャーの更新研修まとめ!費用や廃止案について詳しく解説

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大枝 洋子のアバター大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネ歴12年、介護福祉士歴8年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。成功した転職もあれば、失敗した転職ありました。そんな転職経験を活かすため当ブログを立ち上げました。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。保有資格は、介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、介護事務、ケアクラーク、他。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格は、5年ごとに研修を受けて更新しなければなりません。では、この研修は具体的にどのような内容なのでしょうか?また、研修の必要性や更新を怠った場合の影響について、知られていない方も多いかもしれません。

以下では、ケアマネジャー資格の更新研修について費用や廃止案などを詳しく解説します。これからケアマネジャーとして活動を始める方や、資格取得を検討している方にとっても参考になるでしょう。

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目次

ケアマネジャーの資格は5年ごとに更新が必要

ケアマネジャーの資格は5年ごとに更新が必要

ケアマネジャーの資格は5年ごとに更新が必要です。そして、更新のためには所定の更新研修を受講しなければなりません。ここでは、更新研修について詳しくご説明します。ただし、この記事では広島県社会福祉協議会の研修内容を参考にしていますが、各都道府県ごとにわずかに研修内容が異なることに留意してください。

ケアマネジャー試験に合格後に受ける「介護支援専門員実務研修」

ケアマネジャー試験「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格した方は、試験終了後1年以内に実務研修を87時間受講しなければなりません。そして、実務研修を修了すると、ケアマネジャー(介護支援専門員)として登録されます。

介護支援専門員実務研修の内容

講義と技能ケアマネジャーとして勤務する上で不可欠な、ケアマネジメントの技術と知識を学ぶ研修です。具体的には、「ケアマネジメント業務の手続き」「ケアマネジメントに関連する法規制」「ケアマネジメントと医療連携に関する知識」などが含まれます。
実習ケアマネジメントの技術を実践的に学ぶことができます。具体的な内容は、アセスメントやニーズの情報収集、ケアプラン「居宅サービス計画書」の作成、チームマネジメントの実習などです。また、脳血管疾患や筋骨格系疾患、廃用症候群などの具体的な症例に応じたケアマネジメント技術も、実践を通じて習得することができます。

ケアマネジャー資格取得後5年毎に受ける「更新研修(実務経験あり)」

ケアマネジャーの資格を取得し、実務経験を積んだ方々は、「専門研修課程Ⅰ」(実務経験が6カ月以上ある場合)または「専門研修課程Ⅱ」(実務経験が3年以上ある場合)のいずれかの研修を受講することになります。

専門研修課程Ⅰ:56時間(6ヶ月以上の実務経験あり)

専門研修課程Ⅰでは、ケアマネジャー(介護支援専門員)として専門分野の知識や技術を習得し、専門職としての資質向上を目指すための研修を行います。受講生の所属先(居宅、特養、老健、グループホームなど)に応じて、4つのコースに分かれた演習を実施し、合計で10日間の研修期間を設けています。

専門研修課程Ⅱ:32時間(3年以上の実務経験あり)

専門研修課程Ⅱでは、ケアマネジャー(介護支援専門員)として支援困難事例に対応する技術を習得し、事業所や施設で介護サービスの中核的な役割を果たすための研修を実施します。研修期間は、全員共通の2日間の共通日程と、受講生の所属先(居宅、特養、老健、グループホームなど)によって異なる日程の4日間を合わせて、計6日間となります。

ケアマネジャー資格取得後5年毎に受ける「更新研修(実務経験なし)」

ケアマネジャー資格を取得して5年経過し、実務経験がない人は「更新研修」を受講します。

更新研修(54時間)

通常、研修は前期(5日間)、約1カ月の実習・自己学習期間、後期(2日間)に分けて行われます。前期では、ケアマネジメントに必要な専門知識を講義形式で学び、実習ではケアプラン作成の課題も行います。後期では、作成したケアプランを基に演習を行います。

更新研修をしなかったらどうなるの?

ケアマネ資格を更新研修をしなかったらどうなるの?

忙しさにより、または完全に忘れてしまったことで、ケアマネジャー資格の更新研修を受けられない場合があります。では、ケアマネジャーが更新研修を怠るとどうなるのでしょうか。

ケアマネジャー資格の更新研修を行わないと、資格が失効となってしまいます。つまり、ケアマネジャーとして働けなくなるため注意が必要です。

更新研修を忘れても再研修を受講すればケアマネジャー資格が再交付される

ケアマネジャー資格が失効してしまった場合でも、名簿には登録履歴が残ります。そのため、再度、54時間の「再研修」を受講することで、ケアマネジャー資格の再交付が可能となります。

ケアマネジャー資格の再研修の受講申し込みについて

ケアマネジャーとして登録している各都道府県では、資格更新研修の受講申し込みを行います。研修期間は比較的に長いため、早めに受講日程を調整し、勤務先に相談するように心掛けてください。

更新研修の費用はいくら?

ケアマネジャーの更新研修にかかる費用は都道府県ごとに異なります。関東首都圏とその他の主要都市の費用を調べてみました。

都道府県更新費用
東京都34,500円
神奈川県43,200円
千葉県38,000円
埼玉県42,000円
大阪府33,200円
愛知県28,600円
福岡県38,000円
北海道37,700円
京都府37,230円
広島県36,000円

上記とは別にテキスト代がかかる場合もあります。詳しくはお住いの地域の介護支援専門の協会ホームページを参照してください。

更新研修はいつから受けられる?

ケアマネ資格の更新研修はいつから受けられる?

更新研修は、資格の有効期限が切れる1年前から受講が可能です。そして、更新研修は必ず資格の有効期限が切れる前に修了しなければなりません。もし更新研修の途中で資格の有効期限が切れてしまった場合、ケアマネジャー資格(介護支援専門員証)の更新ができなくなるため、早めに行動することが重要です。

また、更新研修の定員が満員になったり、希望するコースの受講ができなくなる場合があります。研修を実施する都道府県に事前に問い合わせて、定員や研修の修了時期などを確認しておくことをおすすめします。

更新研修が受けられる場所はどこ?

ケアマネ資格の更新研修が受けられる場所はどこ?

更新研修の申し込みや受講は、通常、ケアマネジャー資格を登録している都道府県で行われます。ただし、特別な事情がある場合には、受講地を変更することができます。この場合、登録している都道府県と受講する都道府県の両方に相談することが必要です。

ケアマネジャー資格はいつでも再交付可能

ケアマネジャー資格はいつでも再交付可能

ケアマネジャーとしての活動が必要な場合にのみ、ケアマネジャー資格の更新が必要です。資格を持っているだけでは、自動的にケアマネジャーとしての活動が行われるわけではありません。ただし、資格の有効期限が切れると資格が失効し、ケアマネジャーとしての業務を行うことができなくなります。

もし再びケアマネジャー業務を行う場合には、事前に54時間の再研修を受講し、その後に介護支援専門員証の交付申請を行って交付を受ける必要があります。このような手続きを行うことで、再びケアマネジャーとしての業務を再開することができます。

ケアマネの更新研修を忘れると警告される

ケアマネの更新研修を忘れると警告される

以前は、ケアマネジャー資格の更新を怠り、資格失効のままでケアマネジャー業務を行った場合、”登録抹消”と呼ばれる厳しいペナルティが科されていました。この処分は罰則として、ケアマネジャー資格の再取得が5年間禁止されるという厳しい措置でした。

しかし、このペナルティについては厳しすぎるとの意見が多く寄せられ、宮城県では独自に「削除要件」を緩和する措置を取りました。この動きを受けて、政府内でも見直しの機運が高まり、現在は法改正を経て規制が緩和されています。

法改正により、資格失効状態のケアマネジャーに対して、都道府県から「介護支援専門員証の交付申請を迅速に行ってください」「更新研修を早急に受講してください」といった指導が可能になりました。

ただし、指導に従わない悪質なケアマネジャーに対しては、以前と同様の罰則規定が適用される可能性があります。

ケアマネの更新研修は廃止になる?

ケアマネの更新研修は廃止になる?

現時点でのケアマネジャー更新研修の廃止案については検討されていませんが、今後、さらなるケアマネ不足が加速する場合は法定研修のカリキュラムやガイドラインの改正をせざるを得なくなるでしょう。

また、以下の課題に関しても早急に整備する必要がると考えます。

更新研修の費用が高すぎる

ケアマネジャーになるための実務研修や更新研修の費用は都道府県によって異なり、高額な場合があります。実務研修の平均費用は5万7,017円であり、最も高い山形県では7万9,950円もかかります。

同様に主任介護支援専門員研修でも費用の差があり、岐阜県では最大で7万900円になります。高額な都道府県のケアマネジャーにとっては負担が大きく、これがケアマネジャーへの意欲を減退させる要因となります。費用の大きなバラツキは解決すべき課題と言えます。

更新研修の内容が多くて時間がかかる

ケアマネジャーの法定研修には、費用だけでなく時間的な負担もあります。特に更新研修や主任介護支援専門員研修では、忙しい業務の中で数十時間の研修を確保する必要があります。

この問題に対し、オンライン研修の活用が提案されています。オンライン研修は場所にとらわれずに受講できるため、研修費用の削減効果も期待されています。

しかし、オンライン研修の実施には自治体ごとの差があり、国や都道府県が統一した環境整備が必要です。今回の見直し案がケアマネの資質向上や研修負担の軽減につながるかは注目されます。

また、AIによる置き換えの議論もありますが、2025年問題においてはケアマネジャーの存在が重要視されています。今後の展開に注目です。

ケアマネの更新研修に関するよくある質問

以下では、ケアマネジャーの更新研修に関するよくある質問をまとめました。更新研修について心配な方は、ぜひご覧ください。

ケアマネジャーとしての職務に従事していない場合でも、資格の更新は必要ですか?

ケアマネジャーの資格を持っている場合、その有効期限が切れると資格が失効してしまいます。したがって、ケアマネジャーとしての職務に就かなくても、定期的な更新が必要です。将来的にケアマネジャーとして働く予定がある場合でも、失効した資格では転職が制限される可能性があるため、注意が必要です。

ケアマネの更新の研修は大変ですか?

ケアマネの更新研修は、5年ごとに必要とされますが、その内容や研修時間は個人によって異なります。実務経験が6ヶ月以上の方は「56時間」、3年以上の方は「32時間」といった具体的な時間が設定されています。詳細については、この記事の「ケアマネジャーの資格は5年毎の更新制」で詳しく解説しているので、ぜひご確認ください。

ケアマネの更新を忘れた場合の対処法を教えてください

「もし5年ごとの更新を怠ってしまったらどうなるのか?」という点について説明した記事でも述べている通り、ケアマネの更新を忘れてしまった場合でも、54時間の「再研修」を受講することで資格の失効を回避することができます。厚生労働省の「介護支援専門員専門研修ガイドライン(p298)」によると、受講地はケアマネの登録を受けた都道府県が基本的なルールとなります。ただし、再研修の実施期間や回数は場所によって異なる可能性があるため、まずは申し込み先や手続き方法を調査することをおすすめします。

更新研修は忘れずに受けよう

ケアマネジャーの資格は5年ごとに更新が必要で、更新の際には所定の「更新研修」を受講しなければなりません。もしケアマネ資格をうっかり失効してしまった場合、ケアマネジャーとしての業務を行うことはできません。

ただし、もし更新を忘れて資格を失効しても、54時間の「再研修」を受講することでケアマネジャー資格を再取得することが可能です。再研修の場合は修了するまでケアマネ業務が行えなくなるので、忘れずに有効期限の切れる前に更新研修を済ませるようにしましょう。

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大枝 洋子のアバター 大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネジャー歴12年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

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