ケアマネジャーの平均月給・平均年収はいくら?気になる給与の話し

ケアマネジャーの平均月給・平均年収はいくら?気になる給与の話し

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大枝 洋子のアバター大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネ歴12年、介護福祉士歴8年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。成功した転職もあれば、失敗した転職ありました。そんな転職経験を活かすため当ブログを立ち上げました。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。保有資格は、介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、介護事務、ケアクラーク、他。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

「毎日忙しく働いているけど、自分の給料って他のケアマネと比べて高いのかな?それとも安いのかな?」

ケアマネジャー(介護支援専門員)として働いている方は、自分の給与が平均以上なのか気になる方も多いかと思います。そこで今回は、ケアマネジャーの平均月給・平均年収について深掘りして調べてみました。自らの給与を見直す機会にお役立てて頂ければ幸いです。

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目次

ケアマネジャーの給与の財源は社会保障予算内の介護給付費

ケアマネジャーの給与の財源は、基本的に介護給付費となっています。つまり、国の税収にあたる社会保障予算から我々ケアマネジャーの給与が支払われています。ちなみに、令和2年度(2020年度)の社会保障関係費35兆8,608億円の内、介護給付費は9%の3兆3,838億円となっています。

また、地域包括支援センターからの仕事委託や要介護認定の認定調査の依頼を受ける場合、ケアマネジャーは「委託料」と呼ばれる報酬を受け取ることができます。この委託料は、依頼した自治体から支払われます。

ケアマネジャーの平均月給は約35万円

2020年度の厚生労働省調査によると、ケアマネジャーの平均給与は35万7,850円であり、手当や一時金を除いた基本給の平均が21万6,780円でした。

介護職員の平均給与は31万5,850円であり、基本給の平均が18万2,260円なので、介護職の中ではケアマネジャーの収入は高い方だとわかります。

ケアマネジャーの平均月給は約35万円

ケアマネジャーの平均年収は約385万円

上記でご紹介したように、ケアマネジャーの平均月給から年収を算出する場合、賞与や手当などを加味する必要があります。

厚生労働省が2021年に実施した賃金構造基本統計調査によると、ケアマネジャーの平均年収は385万7,900円です。この内訳は、月給27万2,600円×12カ月に加えて、年間賞与やその他の特別給与が58万6,700円であることがわかっています。

ケアマネジャーの平均年収は約385万円

ケアマネジャーは施設と居宅で給与が違う?

以下、施設形態別のケアマネジャーの平均月収になります。

施設形態平均給与
介護老人福祉施設41万230円
介護老人保健施設38万4,260円
介護医療院36万8,870円
訪問介護事業所33万3,480円
通所介護事業所31万7,190円
通所リハビリテーション事業所36万3,640円
特定施設入居者生活介護事業所37万210円
小規模多機能型居宅介護事業所34万7,810円
認知症対応型共同生活介護事業所35万3,730円

同じ職業でも勤務する場所によって業務内容や労働条件が異なるため、給与に差が生じることはケアマネジャーに限らず言えます。また、地域によっても給与に違いがあり、都市部で働くと収入が高くなる傾向にあります。

ケアマネジャーにおいても、施設ケアマネと居宅ケアマネで給与額に違いが生じます。居宅ケアマネは、利用者の自宅を訪問してケアプランを作成することが主な仕事です。

一方、施設ケアマネは介護施設で勤務するため、ケアマネジャーの仕事以外にも介護やその他の業務を任されることが多いです。そのため、施設ケアマネの給与は居宅ケアマネよりも高めに設定されています。

また、施設ケアマネは居宅ケアマネよりも多くの利用者を担当するため、給与に差が生じる理由の一つとなっています。具体的には、居宅ケアマネが担当する利用者数は約35人に対し、施設ケアマネが担当する利用者数は約100人となっています。

年齢別・男女別で異なる平均給与額

ケアマネジャーの給与は年齢や男女別でも大きく異なります。厚生労働省が行なった賃金構造基本統計調査における、年齢別・男女別の平均給与額の違いは以下のとおりとなっています。

年齢平均給与額
20~24歳23万500円
25~29歳23万3,500円
30~34歳24万4,000円
35~39歳25万2,000円
40~44歳27万円
45~49歳27万4,500円
50~54歳26万6,500円
55~59歳26万8,500円
性別平均給与額
男性26万5,000円
女性24万4,600円

上記の表から、ケアマネジャーの給与のピークが45〜49歳、女性より男性のほうが2万円ほど給与が多くなることが分かります。

持ってる資格で給与が違う?

ケアマネジャーの資格を持っている場合、資格手当が支給されることがあります。2020年度の厚生労働省の介護従事者処遇状況等調査によると、ケアマネジャーの平均給与は36万8,030円であり、保有していない職員の平均給与額は27万5,920円です。

また、介護福祉士の平均給与額は32万9,250円、社会福祉士の平均給与額は35万3,020円であることから、ケアマネジャーの平均給与が介護業界の中でも高いことがわかります。

持ってる資格で給与が違う?

ケアマネジャーの年収は今後上がるのか?

居宅介護支援分野は赤字が続き、ケアマネジャーの収入の改善は期待できません。しかし、2025年には団塊世代が75歳以上になり、介護需要が増加することが予想されます。

また、2018年にはケアマネジャーの受験資格が厳しくなり、需要が高まる可能性があります。そのため、ケアマネジャーの活躍の場は今後も確実に増えていくでしょう。

ケアマネジャーの年収は今後上がるのか?

ケアマネジャーは介護職員処遇改善加算の対象外?

ケアマネジャーの募集が困難になる可能性がある、という深刻な問題が存在しています。この問題を解決するため、厚生労働省ではケアマネジャーの待遇改善について検討しているようです。

政府は、介護職員の待遇改善を進めるために、2019年10月に「介護職員等特定処遇改善加算」を導入しました。これは、技能や経験に基づいて介護職員の待遇を改善することを目的としたもので、介護業務を兼任するケアマネジャーも対象に含まれるようになりました。

しかしながら、居宅ケアマネについてはまだ加算対象外となっています。また、施設ケアマネについても加算の優先度が低いため、不満の声が上がっています。2021年の介護報酬改定で、ケアマネジャーの待遇改善が実現されることが期待されています。

介護職員等特定処遇改善加算は、介護職員の賃金改善を目的として、要件を満たした介護事業所に加算されます。要件には、加算Ⅰから加算Ⅴまでの5つの区分があり、加算Ⅰを取得した場合には、介護職員1人あたり37,000円の加算が支払われます。以下は、加算Ⅰから加算Ⅴまでの金額のリストです。

区分加算額
加算Ⅰ月額3万7,000円相当
加算Ⅱ月額2万7,000円相当
加算Ⅲ月額1万5,000円相当
加算Ⅳ月額1万3,500円相当
加算Ⅴ月額1万2,000円相当

厚生労働省によると、介護職員等特定処遇改善加算を取得している事業所の割合は90%以上となっています。しかしながら、「処遇改善が実感できない」という意見が多く聞かれます。

ほとんどの介護事業所では、処遇改善加算を一時金や手当として支払っており、基本給に加算している事業所はほとんどありません。このため、「一時的なもの」という印象があり、処遇改善の実感が薄いとされています。

ケアマネジャーが年収をアップさせるにはどうすればいい?

ケアマネジャーが年収をアップさせるにはどうすればいい?

ケアマネジャーの給与が、他の介護職と比較して高いことは常勤・非常勤を問わず言えます。では、今後さらにケアマネジャーの給与を向上させるためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。以下で解説していきます。

1つの職場に長く勤める

給料を増やすための方法の一つは、同じ事業所や施設で働いている期間を長くすることです。勤続年数が長くなると、勤続年数に関係なく平均基本給が上昇する傾向があります。このことは、厚生労働省の「介護従事者処遇状況等調査結果」でも明らかになっています。この調査によると、勤続年数が7.6年の常勤介護職員の平均給与は、2019年に前年比で約1万円増加しました。つまり、勤続年数にかかわらず、平均給与が上昇している傾向があると言えます。

他の介護関連資格を取得する

ケアマネジャーの職場によっては、追加の資格を取得することで資格手当が支払われる場合があります。そのため、追加の資格を取得することで給料が増える可能性があります。例えば以下の資格。

  • 認定介護福祉士
  • 医療介護福祉士
  • 喀痰吸引等研修
  • 認知症介護基礎研修
  • 認知症介護実践者研修
  • 認知症介護実践リーダー研修
  • 認知症ケア専門士
  • 重度訪問介護従事者養成研修
  • 難病患者等ホームヘルパー
  • 福祉住環境コーディネーター
  • 福祉用具専門相談員
  • サービス提供責任者
  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士

これらの資格は、ケアマネジャーとしての経験やキャリアアップに役立ちますが、介護福祉関連の資格は、実際の仕事に役立つことができます。これにより、能力手当などのアップも期待できますが、資格手当の支払いは事業所や施設の経営状況によって異なるため、確認が必要です。

施設ケアマネとして働いて夜勤もこなす

ケアマネジャーの収入を増やす方法の一つとして、夜勤のあるケアマネジャーとして働くことがあります。多くの人がケアマネジャーには夜勤がないと考えているようですが、実際には夜勤が必要な場合があります。ケアマネジャーは、在宅介護支援の「居宅ケアマネ」と介護福祉施設の「施設ケアマネ」に分けられます。施設ケアマネは、介護職員を兼務することがあるため、夜勤をすることがあります。夜勤手当が支払われるため、居宅ケアマネよりも給料が高くなることがあります。夜勤手当は日勤の1.25~1.5倍の割増金額が支払われます。そのため、昇給を早く実現したい場合は、夜勤のある施設に転職することもひとつの選択肢となるでしょう。

主任ケアマネジャーになる

「主任介護支援専門員」という資格は、2006年に誕生した新しい資格で、ケアマネジャーの上位資格です。主任介護支援専門員は、ケアマネジャーを統括する役割を担ったり、新人の指導や育成を行うこともあります。

この職種に就くには、資格取得が必要であり、まず受験資格を満たして、70時間以上のカリキュラムを修了する必要があります。研修が行われる場所や、申し込み受付期間は、地域によって異なるので、各都道府県のホームページで確認することをおすすめします。

独立して介護支援事業所を開業する

「独立型ケアマネジャー」とは、ケアマネジャーとして起業した方のことを指します。起業には法人格の取得や指定申請など、準備が必要ですが、一度起業すれば自分の方針で仕事を進められます。また、収入も施設で働くより高くなる可能性があります。

しかしながら、集客ができなければ収入が得られないため、安定した収入を得られないというデメリットもあります。自己マーケティングやアピール力を高めることも必要です。

転職してみる

もし昇給の機会がなく、手当も充実していない職場に勤めている場合、転職を検討することも一つの選択肢かもしれません。努力が報われず、将来的な昇給も望めない状況であれば、より充実した昇給制度や福利厚生が提供されている職場を探すことをお勧めします。経験やスキルが適切に評価される職場を見つけましょう。

ケアマネジャーが年収をアップさせるために転職してみる

給与アップを目指してみよう

ケアマネジャーの役割は、介護保険制度に基づいて要介護や要支援の認定を受けた人が適切な介護サービスを受けられるようにサポートすることです。彼らはケアプランを作成し、市町村や他のサービス事業所との連絡調整を行い、介護施設にとって欠かせない存在となっています。

ケアマネジャーとして長期間働くためには、その業務量や貢献度に応じた適切な給与水準を提供する職場環境が重要です。今回ご紹介した給与アップの方法を参考にして、まずは自分自身ができることから始め、自己の能力を最大限に発揮し、給与アップを目指してみることをおすすめします。

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大枝 洋子のアバター 大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネジャー歴12年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

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