ケアマネ歴12年、介護福祉士歴8年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。成功した転職もあれば、失敗した転職ありました。そんな転職経験を活かすため当ブログを立ち上げました。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。保有資格は、介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、介護事務、ケアクラーク、他。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。
ケアマネジャーの転職でハローワークを使ってはダメな理由とは?
仕事を辞めた方、また転職を考えている方の中には、ハローワーク(職業安定所)で求人を探そうとしているケアマネジャーさんも多いかと思います。国が運営している求人紹介サービスということもあって、なんとなく信頼出来そうな気もしますよね。
私も1回目の転職時に、失業保険を申請する流れでケアマネ求人を紹介してもらった経験があります。職員の方は親身になって話を聞いてくれましたし、とても好印象でした。
一方で「ハローワークにはブラック企業の求人が多い」って噂もそこそこ知れ渡った有名な噂。私の周りにもハローワークから転職して失敗したという方を数名います。
そこで今回は、ケアマネ歴20年以上の私がハローワークで求人探しをした際の体験談を交えて、ハローワーク求人のリアルを解説したいと思います。
目次
ハローワークでケアマネジャーの求人を探す方法
ハローワークでケアマネ求人を探す方法は2通りあります。
1つはお住まいの市区町村が管轄する職業安定所へ行き、施設内の検索機で求人検索する方法です。検索機を利用するには「求職者マイページ」の登録が必要になるため、まずは担当職員と面談するひつようがあります。
もう1つは、自宅のパソコンやスマートフォンからハローワークのサイトにアクセスする方法です。
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ハローワークに掲載されている求人を見るだけなら、面倒な登録は不要。検索フォームに求職番号の入力欄がありますが、空欄でも求人検索ができます。
掲載求人に応募となれば職業安定所に行かなければなりませんが、ただ単に求人を見てみるだけなら自宅のネットで簡単に閲覧できます。
ハローワークでケアマネジャーの求人を検索してみた
では実際に、ハローワークではどういったケアマネ求人が掲載されているのか、いくつかピックアップしてご紹介したいと思います。
検索条件は以下で探しみました。
- 求人区分:一般求人(フルタイム)
- 希望する職種:介護福祉、介護支援専門員、ケアマネージャー
- 雇用形態:正社員
- 賃金:35万円以上(手当・固定残業代を含む)
- 賞与:あり
- 年間休日数:110日以上
- 派遣・請負:派遣・請負を含まない
- 加入保険等:雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金
※賃金35万円以上は厚生労働省が発表したケアマネジャーの全国平均月給です。ここから諸々引かれて手取りは28万円ほどになります。
以上の条件で検索すると、全国で198件が該当しました。(2021年1月現在)実際にどういった求人が募集されているか見ていきましょう。
ハローワークと侮っていましたが、なかなか好条件のケアマネ求人が掲載されていますね。これならハローワークでの求人探しもアリな気がします。
ハローワーク求人のデメリット
しかし、実際にハローワークのケアマネ求人を検索してみて分かったことがいくつかあります。
まず、募集されているケアマネ求人のほとんどが東京都周辺であること。介護支援サービスは地方郊外エリアほど需要が多い業種のため、こうした好条件の求人が東京都に集中してしまうことに疑問を抱きます。
そもそも、介護事業所は介護報酬によって運営されているようなものなので、地域によってケアマネの賃金に差が出ることに納得がいきません。地域の最低賃金や物価に合わせて、介護従事者の給料を設定するのは考えものです。
また、どの求人も「月給220,000円〜350,000円」のように上限が月給35万円と掲載されています。大抵の場合、こういった求人は月給22万円スタートで手取り額は月18万円ほどになります。
ハローワークのケアマネジャー求人に応募した方の口コミ評判
続いて、ハローワークのケアマネ求人に応募した方の口コミや評判をご紹介します。
K・Iさん 39歳女性
ブラックが嫌で辞めたのにブラックに就職してしまった。前職は忙しさから体調を崩して退職。失業手当の申請の流れで、ハローワークで居宅介護支援のケアマネ求人を紹介してもらいました。給料は下がってもいいので、ちゃんと休める職場、ノルマで追い込まれることがない求人をお願いしました。それで紹介されたのが今の職場です。結論から言うともうすでに辞めたいです。給料は前職の3分の2。忙しさはほとんど同じくらい。一番辛いのが所長の性格。仕事が遅いだの、元気がないだの、入社初日からイビリがはじまりました。ブラックです。失敗しました。ハローワークの求人紹介は2度と利用したくありません。
ハローワークの募集要項を信じてはダメ。前の職場は小規模多機能で働いていましたが、ケアマネと介護職の兼任が嫌で退職しました。だから次はケアマネ業に専念したいとハローワークに相談。実務経験を活かすべきと勧められたのが施設ケアマネの求人です。募集要項の仕事の内容に「兼任」の文字がないことを確認して応募。1週間後には内定をもらいました。しかし入社して3週間後。業務の4割は食事・入浴・排せつ介助等の介護業務です。あれほど嫌だった「兼任」状態を強いられています。面接の時と話が違う!と上司に相談しても「人手が足りていないから」や「今ヘルパーの採用しているからもうちょっと我慢して」の繰り返し。募集要項を信じてはいけません。そもそも施設ケアマネなんかに応募しなければよかったと後悔しています。
有名企業だと食い付いたら超ブラック求人だった。ケアマネの資格を取得して初めての職場でした。ハローワークで見つけた有名企業のオープニングスタッフ求人。さすが大手!実務未経験でも月給30万円!年休も福利厚生も申し分なし!長年、介護福祉士をしていたのでケアマネの待遇が輝いて見えていました。こんな好条件の有名企業求人がハローワークにあるなんて!早く応募しないと誰かに取られてしまう!と焦って応募しました。これが失敗でした。後から知ったことですが、そこはブラックで有名なあの企業。月給は確かに30万ですが、いろんな手当込みの30万。いくら残業してもみなし残業と処理されてしまいます。30万から諸々引かれて手取りは24万ほど。家族を養うためにケアマネになったのに、これでは厳しい。家にも帰れない。有名企業だからといって油断しました。ちなみにその求人、いまだに掲載されていますのでご注意を。
引用元:ケアマネドットコム
ハローワークの求人にブラック企業が多い理由
「ハローワークの掲載条件って厳しそう」
そういったイメージをお持ちの方も少なくないでしょう。しかし、実際はそんなことはなく、手順通りに手続きを行えば、どんな企業でも簡単に掲載できてしまうのです。
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掲載審査は基本的に書面のみ。掲載確認のためにハローワークへ行く必要がありますが、それ以外は何も難しいことはありません。書類に不備がない限りすんなり掲載することが可能なのです。
また、一般的な転職サイトと異なって、ハローワークの求人掲載料金は無料。人材採用に予算が割けないカツカツな企業でも掲載できちゃうんです。
掲載料金が無料のため、求人掲載の期限も事実上ありません。つまり、ハローワークに掲載している企業は年中人手が足りない職場。その中には離職率が高いブラック企業も多いことでしょう。
タダで求人広告が出せるハローワーク。企業としてはメリットしかありませんが、求職側としてはどうでしょう。人材採用は企業にとっての投資です。投資するお金もないようなギリギリの企業で働きたいと思いますか?
こう言ったことがブラック企業の求人が多いと噂される理由なのかもしれませんね。
ハローワークの求人は労働基準法を守っているという迷信
「ハローワークに求人掲載する際は、労働基準法を守ってないと断られる」
そういった話を聞いたことがあります。しかし先ほども申した通り、ハローワーク求人の掲載審査は書面のみで、その企業が真っ当な雇用をしているという確認は基本的に行われません。これは厚生労働省のホームページでもはっきりと言っています。
Q 求人誌を見て就職しましたが、求人誌に書いてあった給料や勤務時間などの条件と実際の条件が違っていました。これは労働基準法違反ではないのですか?
A 労働基準法第15条には、労働条件の明示が定められていますが、この条文で言う労働条件の明示とは労働者個々人に対して書面で明示される労働条件のことです。つまり、求人誌やハローワークに掲載されている求人票はあくまでも募集の際に提示する労働条件の目安であり、労働基準法第15条で定める労働条件の明示には該当しません。なお、ハローワークに掲載されている求人票の条件と実際の条件が異なる場合は、まずはハローワークにご相談ください。
出典元:労働基準法に関するQ&A
不景気のこのご時世、労働基準法を守っているのは大企業のごく一部でしょう。まして「3K」と呼ばれる介護業界にホワイト企業はあるのでしょうか?あるなら私に教えてください。そこで働きたいです。
過去複数回の転職を経験している私から言わせてもらえば「ブラックじゃなければとりあえずOK」といった気持ちが大事だと思います。
ケアマネ求人探すなら転職支援サービスを活用しよう
ハローワークでの求人探しを全面否定するわけではありませんが、私の経験としては「マイナビ介護職
掲載されている求人数もハローワークより多いですし、なによりも求人検索しやすいサイト作りになっています。行政のホームページは分かりにくいですからね。自宅で仕事探しをするなら転職サイトがおすすめです。
ただ、こうした転職サイトにもブラック企業の求人は紛れている可能性はあります。じゃあ、結局は一か八かになってしまうのか?
大丈夫です。そんな時に活用すべきなのが「転職支援サービス」です。慎重に求人探しを行いたい方向けサービスで、専属の転職アドバイザーが様々なサポートを行ってくれます。
転職アドバイザーは求職者側、そして企業側の事情を知る唯一無二の存在。双方のメリットを重要視するため、転職支援サービス利用者にブラック企業の求人を紹介するなんて絶対にしません。
また、市場には出回らない非公開求人も転職支援サービス経由であれば紹介可能。今よりも好条件&高待遇の求人が見つかるかもしれません。
転職支援サービスの利用には面談や希望条件の提示などを行う必要があり、スピーディーな転職には不向きですが、慎重に転職活動を進めたい方にはうってつけ。
転職支援サービスは無料で利用できますので「絶対にブラック企業だけは嫌だ!」という方は試しに利用してみると良いかもしれません。
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