ケアマネジャーは将来性のある仕事なのか?介護業界の現状から解説

ケアマネジャーは将来性のある仕事なのか?介護業界の現状から解説

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大枝 洋子のアバター大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネ歴12年、介護福祉士歴8年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。成功した転職もあれば、失敗した転職ありました。そんな転職経験を活かすため当ブログを立ち上げました。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。保有資格は、介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、介護事務、ケアクラーク、他。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

ケアマネジャーとは、介護施設で勤務するヘルパーを指導・監督するとともに、利用者や利用者の家族の相談に応じる仕事を担う職業のことです。近年、少子高齢化が進んでいることで、ケアマネジャーの需要が高まり続けています。

そこで、本記事では少しでもケアマネジャーに興味がある方に向けてケアマネジャーの現状や将来性、活躍し続けるために必要なことについて解説します。併せて、主任ケアマネジャーや独立型ケアマネジャーについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

ケアマネジャー業界が抱える現状の問題点

ケアマネジャー業界が抱える現状の問題点

ケアマネジャーの人材不足が深刻化しており、需要に対する供給が追いつかない状況にあります。少子高齢化が進む日本において、ケアマネジャーの役割はますます重要性を増しています。以下では、介護支援専門員(ケアマネジャー)の現状と今後の展望について詳しく説明します。

ケアマネジャーの人数は減少傾向にある?

実際に、ケアマネジャーの人数は減少傾向にあります。この理由として、2018年から試験内容が変更され、受験資格がより厳格化されたことが挙げられます。また、コロナウイルスの影響も受験者数の減少につながっています。

厚生労働省によると、令和3年度のケアマネジャー試験の受験者数は54,290人で、合格者数は12,662人で、合格率は23.3%でした。これは平成29年度の試験以来初めて20%を超えましたが、ケアマネジャーの数が今後ある程度増える可能性はあります。

ケアマネジャーの給料はそこまで高くない?

ケアマネジャーの給料は、介護職の中では比較的高めと言えます。厚生労働省によると、ケアマネジャーの平均月収は約32〜35万円程度で、年収は約420万円と発表されています。一方で、介護職の平均収入は月収約25万円前後で、年収に換算すると300万円程度というデータもあります。

ただし、業務内容によって給料に差が出るため、単純に比較することはできません。また、ボーナスが加算される企業もあり、全体的な年収はさらに高くなる場合があります。

ケアマネジャーの給料はそこまで高くない?

ケアマネジャー不要論という噂

2021年、ケアマネジャー不要論が注目を集めました。これは、介護給付費の割合を抑えるために、財務省が介護に必要なケアプランの有料化を提言したことに起因しています。

現在は、ケアプランに本人負担はありませんが、事業所は月10,000円から15,000円程度の介護報酬費を受け取っており、その中から1,000円を利用者負担にすることで介護給付金を削減することができます。このような状況下で、ケアマネジャー不要論が提唱され、ケアマネジャーの必要性が問われるようになりました。

ケアプランが有料化された際、ケアマネジャーの必要性が問われましたが、結論から言うと、ケアマネジャーは今後も必要な存在です。これは、高齢者の増加や介護制度の複雑さに加え、ケアマネジャーが持つ知識やスキルが必要だからです。

一部では、AI技術によってケアマネジャーの業務が置き換えられる可能性も指摘されていますが、ケアマネジャーが担う高齢者への寄り添いや個別対応は、現状のAIでは代替できないものです。そのため、ケアマネジャーの役割は今後も不可欠となるでしょう。

人手不足によるケアマネジャーの激務化

現在、ケアマネジャーが直面している悩みとしては、人員不足による激務が挙げられます。通常、ケアマネジャーは数十人の利用者を担当することが一般的で、既に標準的なマネジメント手法においても激務になっています。

しかも、ケアマネジャーの資格試験が厳格化されたことで、人員不足がより深刻化し、ケアマネジャー1人当たりの担当人数が増えています。

例えば、施設ケアマネジャーは、利用者100人に対して1人でマネジメントする場合もあります。また、ケアマネジャーは雑務が多く、5年に1度の資格更新などの他業務も多忙です。

主任ケアマネジャーの需要が増えている

また、2021年3月に改訂された介護保険法によれば、「居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネージャーでなければならない」という規定が設けられました。それに伴い、主任ケアマネジャーの確保が課題になっています。

2027年までに主任ケアマネジャーが不在の事業所は廃業する可能性もあるため、主任ケアマネジャーの確保は多くの事業所にとって急務となっています。

ただし、主任ケアマネジャーを目指す前に、まずはケアマネジャーの資格取得が必要であることから、ケアマネジャーを目指す人数が不足しているのが現状です。そのため、ケアマネジャーや主任ケアマネジャーの需要は今後も高まり続けると予想されます。

ケアマネジャーの需要は高まり続ける!将来性を詳しく解説

主任ケアマネジャーの需要が増えている

日本において、ケアマネジャーはますます需要が高まっており、将来的にも需要が増えることが予想されます。その理由は、日本の少子高齢化が進み、高齢者の介護ニーズが増加していることや、AIでは補えない人間の寄り添いやコミュニケーションが必要な業務が多いことなどが挙げられます。

以下に、ケアマネジャーが将来性のある職業である理由を2点詳しく説明します。

ケアマネジャーの高齢化で人手不足が続き今後も高い需要が続く

少子高齢化が進行している日本では、ケアマネジャーの需要は高まり続けています。日本の高齢化率は28.9%、日本の総人口1億2550万人の中で65歳以上の人口は3621万人です。これからも高齢者化が進む日本では、高齢者に寄り添うケアマネジャーの重要性が高まります。

高齢化が進行していることで、ケアマネジャーの需要が高まっているとはいえ、ケアマネジャーの若い人員が少なく、高齢化が進んでいます。ケアマネジャーの平均年齢は、60歳以上が約20%、50代が約30%、40代が約30%になります。あと20年すると、20〜30代のケアマネジャーは少数になるでしょう。そのため、若手のケアマネジャーの育成も待ったなしの状況になっています。

ケアマネジャーの仕事はAIには任せられない

ケアマネジャーは、利用者や家族と密接にコミュニケーションをとり、個別の介護プランを策定する必要があります。

また、利用者の感情を読み取り、変化に対応する必要があることがあります。このようなタスクは、AIでは実行できません。将来的には、AIによる介護プランの作成や日常業務の代替が進むかもしれませんが、感情の読み取りや柔軟な対応は、ケアマネジャーの重要な役割であり続けるでしょう。

ケアマネジャーとして働き続けるために必要なこととは?

ケアマネジャーとして働き続けるために必要なこととは?

ケアマネジャーとして働き続けるために必要なことは「アセスメントの質を向上させる」と「スキルアップを怠らないこと」です。将来的に、主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)を目指すこと、もしくはケアマネジャーとして独立するといったことも視野に入れておくと良いでしょう。

アセスメントの質を向上させる

ケアマネジャーとして成功し続けるためには、アセスメントの向上を目指し、より質の高い介護を提供する必要があります。

アセスメントは、利用者の介護ニーズを明確にし、最適な介護プランを提案する手順です。高品質なアセスメントは、より質の高い介護プランの提供につながります。アセスメントを向上させるためには、問題点を見つけ出したり、有効な介護プランを検討・提案する能力が必要です。そのためには、日々の学習が欠かせません。

スキルアップを怠らないこと

ケアマネジャーとして長く活躍するためには、スキルアップを怠らないことが重要です。書籍や資格更新などを通じて、知識や技術のインプットを増やすことが必要です。特に、5年に1度の資格更新試験では、必要な知識やポイントが変化するため、常に自主的な学習が必要です。

また、スキルアップとキャリアアップの方法として、「主任ケアマネジャー」や「ケアマネジャーとして独立する」といった道もあります。これらは、スキルや知識を磨くとともに、経験を積むことができるため、キャリアアップにも繋がります。

主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)を目指す

ケアマネジャーとしてのキャリアアップの方法の一つに、主任ケアマネジャーを目指す方法があります。主任ケアマネジャーの主な業務は「ケアマネジャーへの助言や指導」と「地域の課題や特性を見極めてケアシステムを進めること」です。

主任ケアマネジャーには、ケアマネジャーよりも深い知識と幅広い視野が求められます。主任ケアマネジャーを目指すことで、介護業界での価値を高める存在として活躍し続けることができます。

ケアマネジャーとして独立する

ケアマネジャーとして独立を目指すことも、スキルアップ・キャリアアップの一つの方法です。介護支援事業所を自ら経営し独立することで、高い自由度と高額の収入が挙げられます。

ケアマネジャーとして独立すれば自分自身で経営方針を定めたり自己啓発に励んだりして、スキルアップを促すことができます。また、経営に必要な知識や技術も身につけることができるため、社会からの評価も高まることでしょう。

介護業界において需要が高く、将来性があるのがケアマネジャーの職業

日本においては、少子高齢化が進行する中で、ケアマネジャーは重要で、将来性のある職業となっています。ただし、2018年以降の受験資格の厳格化や人員不足から、ケアマネジャーの数は減少している現状があります。

しかしながら、介護業界においてはケアマネジャーの需要は今後も高まり続けることが予想されています。介護業界に少しでも興味を持っている方や、ケアマネジャーに関心がある方は、ぜひこの職業を目指してみることをおすすめします。

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大枝 洋子のアバター 大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネジャー歴12年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

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